2025/04/12
ワイナリーの日々の活動報告 「小坂七滝醸造所手記」

小坂七滝醸造所手記【活動報告】new viersion2025
■「一滴の恵みも、無駄にしない」
|葡萄の旨味を余さず引き出す、澱からのエッセンス抽出作業のご紹介です。
搾汁後に残る澱にも、まだ大切な風味が宿っています。圧をかけて取り出したエッセンスをワインに加えることで、より深く、豊かな味わいへ。
ワインタンクから回収された澱に圧をかけて、凝縮されたエッセンスを取り出す作業は、葡萄の旨味を最後の一滴まで無駄にしない大切な工程です。澱にはまだ香味成分が豊富に含まれており、このエッセンスをタンクのワインにブレンドすることで、コクや複雑さが増し、より深みのある味わいになります。
この作業は品質向上だけでなく、資源を最大限に活かすサステナブルな取り組みでもあります。わずかな量でもワインに奥行きと余韻をもたらし、長期熟成型のワインにも好相性。職人の丁寧な手仕事が、グラスの中に広がる豊かな風味を支えています。
ワイナリー手記 2025年4月9日
ワイン造りにおいて、澱(おり)の有効活用は非常に重要な工程のひとつです。写真では、ワインタンクから回収された澱に圧をかけ、凝縮されたエッセンスを取り出す作業が行われています。この工程は、搾汁後にタンク底に溜まる澱を廃棄するのではなく、最後の一滴まで葡萄の旨味を抽出するという、まさに「無駄にしない」精神に基づいたものです。
澱にはまだ豊かな香味成分が多く含まれており、これを圧搾することで得られるエッセンスは、通常のワインと比べてコクや複雑さが際立ちます。このエッセンスをタンク内のワインと再度ブレンドすることで、ワイン全体の旨味が増し、より深みのある味わいに仕上がります。
また、このような工程は品質向上だけでなく、持続可能なワイン造りにも貢献しています。限りある資源を最大限に活かすこの取り組みは、環境にも優しく、造り手の丁寧な姿勢が感じられます。
職人の手で丁寧に進められるこの作業は、まさに手間ひまを惜しまないクラフトマンシップの現れ。こうした積み重ねが、ワインの風味や個性に大きな影響を与えているのです。
さらに、このエッセンスはタンニンや旨味成分が豊富なため、長期熟成型のワインにも深い構造を与える力を持っています。わずかな量でもブレンドすることで、ワインに奥行きや余韻を与え、飲み手に忘れがたい印象を残します。こうした裏方の丁寧な仕事が、グラスの中に広がる豊かな世界を支えているのです。

