2025/05/16
ワイナリーの日々の活動報告 「小坂七滝醸造所手記」

小坂七滝醸造所手記【活動報告】new viersion2025
■その一滴に、静かな情熱を。濾過の現場で生まれる、希少白「ペガサスブラン」の深い味わい。
|希少な白ぶどう「ペガサスブラン」を丁寧に濾過。辛口仕上げの奥に、オレンジワインの余韻が広がります。
小坂七滝ワイナリーで今、濾過作業が進むのは、山ぶどう系の極めて希少な白品種「ペガサスブラン」。栽培面積も収穫量も少なく、私たちにとっても“一期一会”のような存在です。品種の個性を最大限に引き出すため、あえて果皮ごと発酵させたオレンジワインとして仕上げています。繊細な果実味の中に、ほんのりと感じるタンニンや旨みは、この製法ならでは。キレのある辛口でありながら、口中でじんわりと広がる深みも魅力です。濾過の先に現れる、ペガサスブランの真の姿にどうぞご期待ください。
ワイナリー手記 2025年5月16日
■その一滴に、静かな情熱を。濾過の現場で生まれる、希少白「ペガサスブラン」の深い味わい。
|希少な白ぶどう「ペガサスブラン」を丁寧に濾過。辛口仕上げの奥に、オレンジワインの余韻が広がります。
タンクに耳を澄まし、澄んだ液体を一滴一滴、丹念に濾過していく。そんな職人の静かな情熱が宿るのが、山ぶどう系の希少な白品種「ペガサスブラン」から生まれた一本。年間の収穫量がごく限られているこの品種は、まさにワイナリーの宝。辛口の白として仕上げながらも、果皮をともに醸した“オレンジワイン”スタイルにより、穏やかなタンニンと複雑な香りが溶け合います。果実の瑞々しさに加え、ほんのりと感じる紅茶やハーブのニュアンスが余韻を彩り、グラスを傾けるたびに新しい表情を見せてくれます。白ワインの新たな魅力に出会いたい方にこそ、ぜひ体験していただきたい逸品です。


ワイナリー手記 2025年4月9日
ワイン造りにおいて、澱(おり)の有効活用は非常に重要な工程のひとつです。写真では、ワインタンクから回収された澱に圧をかけ、凝縮されたエッセンスを取り出す作業が行われています。この工程は、搾汁後にタンク底に溜まる澱を廃棄するのではなく、最後の一滴まで葡萄の旨味を抽出するという、まさに「無駄にしない」精神に基づいたものです。
澱にはまだ豊かな香味成分が多く含まれており、これを圧搾することで得られるエッセンスは、通常のワインと比べてコクや複雑さが際立ちます。このエッセンスをタンク内のワインと再度ブレンドすることで、ワイン全体の旨味が増し、より深みのある味わいに仕上がります。
また、このような工程は品質向上だけでなく、持続可能なワイン造りにも貢献しています。限りある資源を最大限に活かすこの取り組みは、環境にも優しく、造り手の丁寧な姿勢が感じられます。
職人の手で丁寧に進められるこの作業は、まさに手間ひまを惜しまないクラフトマンシップの現れ。こうした積み重ねが、ワインの風味や個性に大きな影響を与えているのです。
さらに、このエッセンスはタンニンや旨味成分が豊富なため、長期熟成型のワインにも深い構造を与える力を持っています。わずかな量でもブレンドすることで、ワインに奥行きや余韻を与え、飲み手に忘れがたい印象を残します。こうした裏方の丁寧な仕事が、グラスの中に広がる豊かな世界を支えているのです。

